「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」
御存知、葛飾北斎の代表作の一つです。神奈川沖とあるので、神奈川県かなと思いますが、横浜市神奈川沖だそうです。
私は、印象派の絵を見るとゴッホをはじめ、印象派の画家が北斎の絵に衝撃を受け、参考にしたという事実に「そうなんだ。北斎は素晴らしい」と思い、北斎の絵に興味を持ちました。
名古屋ボストン美術館他何ケ所か北斎展を観賞しに行きました。その時はイヤホンを装着し、解説を聴きながら絵を鑑賞し、帰るときに図録本(解説本)を買いました。
北斎の代表作は、この神奈川沖浪裏と「凱風快晴」ではないでしょうか。
解説本によりますと「冨嶽三十六景」は、1830年から1834年までの4年間に出版されたものと考えられ、絵本「冨嶽三十六景」は1834年の出版で、この時北斎は75才。江戸時代に75才でこの元気さに驚かされます。
先日、NHKテレビで北斎の特集番組があり、興味を持って見ました。そこでは、この「神奈川沖浪裏」を取り上げ、この浪の形は存在するのかという事で、東京大学の協力により巨大水槽で波を作り、実験していました。
小さな波から徐々に大きな波に変えていくと、最大出力の時にこの絵の最大の高さの波の形が見えました。
勿論、ビデオテープを止めて、ほんの一瞬見えるだけなのですが、確かに大きな波の形が見えました。北斎の描写は、作り物ではなかったのです。最後に、この作品には舟が3艘いますが、一番右から左に船が進んだと見るべきだそうです。船の進行に従い、波を合わせたといえるのでしょうか。
NHK歴史探偵で放送された見解によると、横浜港を出た所では右の山が出ており、木更津アクアライン近辺が図景に近いそうです。
この作品は、青色に特徴がありますが、プルシャンブル―という西洋の化学顔料を多く用いたそうです。日本の藍も併用していたとか。
北斎美術館のうち、両国駅近くの「すみだ北斎美術館」は、一度訪れましたが、長野県小布施町の「北斎館」に是非行ってみたいと思っています。北斎が80代の「画狂老人」として小布施のスポンサーに招かれ描いた絵をこの目で見ておきたいのです。
小布施には美味しい栗があり、「小布施 栗鹿の子」はよく買って食べました。
北斎館に行けば、栗をしっかり買って味わいたいものです。
私は北斎の作品が好きなので、或る時ウィンドショッピングをしてネクタイを見ていると、神奈川沖浪裏と凱風快晴(いわゆる赤富士の作品)を描いたものがあり、衝動買いしました。自分は嬉しくて、神奈川沖浪裏と凱風快晴のネクタイを締めて行きますが、誰も気付いてくれません。もう少し図柄が大きければ、見てもらえたかもしれません。
余談ですが、ニュージーランド・マウントフックの朝日を浴びた姿を見た時は、思わず凱風快晴だと叫びました。
※画像は「東京富士美術館様HP」より
2021年06月07日 13:24